MATSUKASAのひねくれ中華ロード。

びんぼーな中の人が中華パーツでそれとなくスポーツバイクなライフを過ごそうと足掻く、やる気のなーいブログです。

【中華】紐式油圧ディスクブレーキ、ZOOM XTECH HB-100 個人整備なら一考の価値有りか?

早い、安い、旨い。中華料理はそんなイメージ。(偏見)





しかしながら、そんな芸当が可能なのは前もってスープやスパイスの調合に時間をかけているからこそできることです。





果たして自転車パーツにも早安旨4000年の伝統は受け継がれているのか⁉






やはりややこしいキャリパー



さて、昨今のロードないし自転車のトレンドは、「エアロ、チューブレス、ディスクブレーキ」です。まぁほぼMTBからの技術が発展しているわけですね。





そんなこんなで私の愛機、ミニベロZ501もトレンドにならってディスクブレーキ仕様です。





ひとえにディスクブレーキと言いましても、自転車パーツの宿命で規格が乱立します。





マウント方式もさることながら作動方式も種類があります。





お手頃で調整や整備が容易なメカニカル



作動が軽いハイドローリック



そして今回紹介するハイブリッドです。






どマイナーなハイブリッド型



はてこの型のキャリパーですが、見かける機会はほぼありません。なぜでしょう?




先に挙げたとおり手軽さならメカニカル、効きはハイドローリックと相場が決まってしまっているからでしょうか。





完成車で採用しているのはJava bikesのFEROCE Discですか。
JAVA FEROCE DISC





とまぁマイナーなもんでございます。






本格中華麻婆


ハイブリッド型のキャリパーを売り出しているメーカーはいくつかあります。
有名どころはTRPのHY/RD、Juin techのR1でしょうか。いやライトユーザーにとってはどちらもマイナーだ。





またどちらもフラットマウントとポストマウントを展開します。






しかし王道を行かず、邪の道を進むのが私のスタイルです。そういうことにしといてください。





さて、今回購入したのは…







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zoom XTECH HB-100です!





いや知らん。て心の声が伝わってきます。





ちなみにハイブリッド型のキャリパーの利点はコスパです。紐式のレバーに付け足せばフル油圧の半額以下で組めます。





特性としてはメリットデメリットを機械式油圧式双方からマイルドに受け継ぎます。




  • メリット

引きはなめらか
整備しやすい
安い


  • デメリット

ワイヤー故に若干のもっさり感
前後でレバーの感触が変わる
デカい





つかってみた感じ半分油圧になったことのメリットが大きいですね。






やっぱ一筋縄ではいかない4000年



前置きが最近のファッション雑誌の付録みたいなボリュームになってしまったのでそそくさと組みましょう。







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まずは機械式キャリパーを取っ払いましょう。







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世代交代やー!





そしてサクッと取り付けましょう。





ん?





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おんぎゃー!ローターの背が高いとことキャリパー本体が干渉します。





試しに回したときに思いっきりガリン!てやっちゃいました。てへ。





解決策を考えましょう。方法は2つ、ローターを小さくするかキャリパーを離すかです。






制動力を考えると140は心もとないのでこのまま、となるとキャリパーを離すの一択です。





うーんと一瞬悩んで思いつきました。
機械式キャリパーとIS→PMアダプターの間に挟まっていた銀ピカシムを入れればおkじゃね?







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はいよっ







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お、うまく行きました。





それとともに心にも余裕が生まれました。ふぅ。





リアはどうでしょう。







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お、こちらは干渉してません。感傷に浸らずに済みました。





※後にローターを冷却板付きのものに交換したところ、噛みすぎてしまったのでスペーサーを入れました。






訪れし反抗期



さて、次にセンター出しですが一つ注意することがあります。





センターの出し方については油圧式と変わらず、ブレーキレバーを引ききりパッドでローターをホールドする方法です。





ですが、ハイブリッドということは途中までは機械式、そうケーシングありのアウターと寄り線のインナーがレバーからキャリパーまで続いています。





つまりワイヤーが真っ直ぐ伸びようとする力がキャリパーにも生じるため、結果ローターを歪めたままホールドしてしまうのです。





これは剛性のない安いものや軽量なローターになればなるほど顕著です。





これを回避するにはこうです。







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ワイヤーを摘んでテンションをフリーにします。





どっちかに偏らないよう、トライアンドエラーで頑張りましょう。






ネジネジ謎がグルグル



このキャリパー、画像で見ていたときから疑問がありました。





調整用と思わしきボルトが2つあるのです。1つはお馴染みのインナーワイヤーを張るボルト(黒)、そして謎のイモネジ(銀)です。







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このイモネジ、いくら回してもピストンは動きません。てかそもそもピストンを調整するボルトが2つある意味がありません。





たとえピストン調整の幅を大きく取るためだとしても、ブレーキレバーのボルトでも同じ役目を果たすので無意味です。





イモネジより頭が回ってきた3時間後、ついにひらめきました。





恐らくこれはキャリパーアームの前後位置調整用です。





一見意味なさげな機構ですがこれは重要です。アームが適正な位置にあると、抵抗が減ってラクに引けるようになります。






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理想的なラインです。





またブレーキレバーの引きしろが大きいものにも対応できる機構でしょう。






B級グルメばりのうまみとダメなとこ


総じて好印象なHB-100。





引きのフィーリングは良くなる、イカツい、整備もラク





しかし、B級は訳があってB級です。





B級グルメが油にまみれた食べ物しか無いのと同様、このHB-100にも油を切ってカロリーダウンしなければならない事があります。




  1. フェイシングされていない

あろうことか、マウント部のフェイシングがありません。ハズレ個体に当たればセンターはおろかキャリパー自体斜めになってしまうでしょう。





私は面倒なのでゴリ押しで留めました(笑)




  1. ピストンの出代が左右均等ではない。



このことから内部もフェイシングが甘い事が予想されます。





左右の摩擦値の差が大きため出代が同じにはならないのでしょう。





出る毎に出かたが変わるわけではないので実用に問題はありません。







ルーティング上ワイヤーしか通せない、フル油圧のような液体を扱うのが苦手な方にはおすすめです。